2011年4月6日水曜日

これからの原発、その輝ける未来を考えよう!

・原子力政策の見直し論、民主・自民両党で強まる

 東京電力福島第一原子力発電所の事故を受け、民主、自民両党で原子力推進政策の見直し論が強まっている。


 国民の間に原発への不安が高まっているためだが、代替エネルギーの確保などの課題にどう対処するかには、苦悩しそうだ。

 原子力政策を巡る論議は、自民党の谷垣総裁が17日の記者会見で、「推進していくことは難しい状況になっている。事故を速やかに総括し、新しい対応を考えなければいけない」と述べたのがきっかけとなった。枝野官房長官は18日の記者会見で、谷垣氏の発言の感想を記者団に問われ、「確定的な方向を言うタイミングではないが、発言は至極当然のことだ」と語った。

 福島の事故が、原発を抱える各地に与えた影響は大きい。静岡県では、中部電力が浜岡原子力発電所(御前崎市)で計画しているウラン・プルトニウム混合酸化物(MOX)燃料を使用したプルサーマル発電について、安全対策の見直しを求める声が強まっている。民主党幹部は「放射性物質の漏えいが懸念されている時に、『原子力を進めます』とは言いにくい」と語る。

 民主党は2003年の衆院選マニフェスト(政権公約)で、原子力発電を「過渡的エネルギー」と位置づけ、太陽光や風力発電などへの転換を目指す方針を掲げた。しかし、その後の検討で、太陽光発電などだけで原発の発電量をまかなうのは困難と判断し、09年のマニフェストでは方針を転換して「原子力利用について着実に取り組む」と明記した。

 菅政権は10年6月に閣議決定した「新成長戦略」で、原発の輸出拡大を「国家戦略プロジェクト」と位置づけ、諸外国と交渉を進めてきた。昨年10月にはベトナムでの受注を決めた。ベトナム政府は福島での事故発生後も開発計画に変更はないとしており、日本政府はトルコとも詰めの交渉をしている。政府筋は「福島原発に比べ、最新型の原発は安全面でかなり強化されている」と強調している。

 ただ、高い評価を受けていた日本の原発事故がきっかけで、世界で原子力政策の見直しが進み、日本政府もエネルギー政策の転換を迫られる可能性もある。

 一方、自民党では、原子力政策論議に一石を投じた谷垣氏の発言は、必ずしも党内の一致した方針にはなっていないようだ。「今はいかに(炉心を)冷却し、放射性物質の漏えい拡大を抑え込むという段階で、原子力政策まで論じるべきではない」(石破政調会長)という声も出ている。公明党幹部は「自民党がエネルギー政策を大転換したとは聞いていない」としている。

(2011年3月18日20時59分 読売新聞)
http://www.yomiuri.co.jp/politics/news/20110318-OYT1T00894.htm









福島第一原発事故はいまだに一進一退で膠着状態のまま、問題解決へのロードマップさえ見えてこない。

こういう展望が見えない戦況で前線に立つ人間がどれほど疲弊するものか、そのような疲弊した雰囲気がどれだけ負け戦を予感させ軍全体の士気に影響をおよぼすものであるか?

だからこそこのことをよく弁えた優秀な将軍は、苦しい状況下においてこそ常に自身こそが楽観的に振舞い演じきることを心がけ、自ら陣頭に立って下の人間を鼓舞する言葉と細やかな心遣いこそを意図して配する。

だが残念ながら現与党である民主党内、あるいは当事者である東電経営陣にはそれをなしうる器量は残念ながら皆無だった。

なるほど連中は危急に際しての棟梁の振る舞いも弁えぬほどのうつけどもだ。

これが前政権与党自民党、それも麻生太郎であったなら、はるかに迅速かつ的確な支持で、前線にある人間にも、後方で見守る国民にも大いなる安堵を与えられていたことは疑いない。

結局、これも国民の選択の結果であるから、民主党政権ゆえの不祥事と諦めてこの災難を自業自得と納得させるしかあるまい。

そうなのである。
誰も言わないようだからはっきり言ってやろう。

この原発事故の事態収拾に関わるゴタゴタ、これらすべての責任は小沢一郎と民主党に政権を与える選択をして下さった民主党支持者にこそある。

日本が滅んだら(滅ぼさないし滅ばないけど)全部お前ら民主党支持者共のせいなのだ。お前らに選ばれた民主党と、脳死したような東電経営陣の責任はせいぜいその次だ。



で、言いたいことを言ったので本題に入ろう。


昔から「羹に懲りて膾を吹く 」という。

生じた災害事象から原因と条件を因数分解的に抽出して、その基礎条件を変えることがもし可能であるなら、同様の危機を再度生じないようにすることが可能であるにもかかわらず、そのことを理解出来ていない愚か者たちは、似たような結果がすべて同じ原因や条件に起因するという誤った判断ゆえに味噌も糞も一緒くたにしてしまう。

物事を合理的論理的に思考できない人間というのはこれだから困る。

問題の本質を見極めた上で是々非々を論じるのではなく、ただ事象に対する雰囲気だけでなんとなく物事の評価を決めようとする。
(しかも、そのような思考態度こそが同じ危機をなんども性懲りなく招き寄せる真因なのだということには想い至りもしない。)

しかし繰り返すが、事象には必ずそれを生じさせた原因と条件があり、その原因には対処不可能なものと対処可能なものがあり、条件にも変更可能なものとそうでないものがあり、仮にそれが対処可能変更可能なものであるなら、その場合否定されるべきは事象の背景ではなく事象を引き起こした原因と条件だけなのである。

そして今回の事象=事故を引き起こした原因ないし条件はなお対処可能変更可能なものであり、したがって事象の背景=原子力発電そのものを否定する必要性はない。

僕は今ここで、今後同種の事故を引き起こさないための原因の排除を含む対処が可能であると指摘した。

そう、事実同種の事故を二度と引き起こさない様にすることができるのである。

その試みは今回の大失敗にも決して前に進む意欲をくじかれることなき誠実な技術者達によって既になされている。

であるから、国民にはどうか冷静に考えてもらいたい。

危険なものを原因を考慮することなく、危険だから一律に排除するというなら、私たちはそもそも文明の存在そのものを否定すべきなのだ。

文明の火を消して原始に還ろう!

あるいはそういう考えもあり得ようが、現実に便利に慣れた人間の群れがその選択をなお出来るのか?

(厳密には不可能ではないし、僕自身はそれもありだと考えている。

たとえば今回の大震災の十数倍にも及ぶ災厄が人類の上に降り注ぐなら、そういう選択をするしかなくなる。
そしてそのような災厄を引き起こすことも可能である。

それをやりたいと願う知能の高い宗教的キチガイ集団も存在する。)

そうではなく、原因がそこにあるなら、そして原因を取り除くことが可能であるなら、かつて危険であったものを以降危険でないものにし変えていくことは、なおできるのである。

故に、そこに危険な事象がかつてあったのなら、それを危険でない事象にし変えて、より安全な事象として利用していくべきなのだ。

ちょうど私たちの先人たちが、火を飼いならし雷を手懐けてきたように、私たちは物質を組成する原子を完全にコントロールすることができつつある。

そこから先に開かれてあるはずの大いなる領域への挑戦にたじろぐべきではない。














・原子力発電所が「原爆」には絶対にならない理由
2011.03.18 20:00


知ることで収まる不安も、あるかもしれません。

福島第一原子力発電所で、次々と問題が発生しています。自衛隊や警視庁や米軍や東京電力や関係のみなさんが命がけでなんとかしようと試みてくれていますが、まだ事態収束のめどは立っていません。見守るばかりの我々は、最悪の場合どうなってしまうんだろう? とつい考えてしまいます。

でも原子力発電所では、いわゆる核爆発が起こることは、原理的に絶対不可能なんです。なぜでしょう? 以下にご説明します。

・核分裂連鎖反応とは

福島第一原発にある原子炉も、原子爆弾も、成立するには核分裂連鎖反応が必要で、核分裂には核分裂性物質が必要です。核分裂性物質とは、たとえば自然界に唯一存在する核分裂性物質はウラン235で、それ以外のもの、たとえばプルトニウム同位体は、自然にある物質をもとに人工的に「培養」する必要があります。

では、核分裂はどのように起こるのでしょう? ここでは、原子炉や多くの核兵器で使われていウラン235による核分裂を想定します。自由中性子がウラン235にぶつかって吸収されると、ウランが分裂して、軽くて動きの速いふたつの同位体(多くはクリプトン92とバリウム141)になり、さらに新たな自由中性子を作り出します。そしてそれは別のウラン235に吸収され、同じプロセスを繰り返していきます。原子炉はこの過程で生じるエネルギーを吸収するのですが、それは同じ量の石炭を燃やした場合にできるエネルギーの300万倍となります。

自然界に存在するウラン同位体の中で、ウラン235だけがこのような核分裂性を持っています。他のウラン同位体、たとえばウラン238が中性子とぶつかっても、中性子や連鎖反応を起こすエネルギーは放出されません。

核分裂で平均1個以上の中性子が作り出される限り、連鎖反応は永遠に続きます。実際、反応の過程で自由中性子は1個以上作り出されることが多く、よって生産されるエネルギーはどんどん増大します。


・安全策の数々


こうした核分裂反応によってエネルギー生産が暴走するのを防ぐため、原子炉はたくさんのフェイルセーフや冗長性を持たされています。比較的よく知られているのは制御棒を使うことで、制御棒は「中性子を吸収するが、核反応は起こさない」性質を持つホウ素などの材料からできています。エネルギー生産が暴走した場合、制御棒を原子炉の中に差し込むことで自由中性子を吸収し核分裂連鎖反応をシャットダウンするわけです。ただ、こうした制御棒の扱いを誤ったことが、チェルノブイリの悲劇を生んだひとつの要因でした。

そしてもちろん、もしフェイルセーフや冗長性が何らかの原因で熱上昇を止められなかった場合、つまりチェルノブイリ原発事故や、スリーマイル島原発事故でも起こったような状況になった場合は、きわめて深刻な事態に陥ります。もっともよく知られているのが「メルトダウン(炉心溶融)」という言葉でしょう。これは熱上昇によって原子炉内にある核燃料や原子炉自体の構造物が溶けて壊れてしまうことで、そうなれば高濃度の放射性物質が空気中に放出されてしまいます。

メルトダウンは、短期的にも長期的にも甚大な被害を及ぼしうる事態です。では、核爆発することはないんでしょうか? 福島の原発は、広島や長崎に投下された原爆のようなことにはならないのでしょうか? 

幸い、答えはノーです。核爆発は起こりえません。チェルノブイリで起こった爆発も、核爆発ではなく蒸気爆発でした。もしあれが同等の規模の核爆発であったら、はるかに大きな被害を生んでいたはずです。チェルノブイリでも、核爆発は原理的に起こりえなかったのです。その理由は、原発と核兵器の違いを理解すればわかります。


・ウランの質の違い


核燃料といえばウラン、を想起しますが、じつは厳密にはそうでもないのです。自然界に存在するウランは核反応には基本的に役立たずで、もちろん核兵器にも使えません。というのは、天然ウランには、核連鎖反応を持続させられるウラン235はたったの0.7パーセントしか含まれていないためです。残り約99.3パーセントはほぼウラン238になっています。

ウランを使って連鎖反応を起こすためには、濃縮して、ウラン235の濃度を高める必要があります。原子炉には低濃縮のウランが使われますが、「低濃縮」とは具体的にはウラン235の濃度が20パーセント以下であることを差します。でも原子力発電所では一般に、ウラン235の濃度が3~4パーセントのものしか使われていません。

一方核兵器の場合、強烈な連鎖反応を起こすために高濃度のウランが必要とされています。「高濃度」の基準は20パーセント以上ということになっていますが、ほとんどの核兵器では濃度80~95パーセントのウランを使っています。たとえば広島に投下された原爆は、濃度80パーセントのウランでした。


・クリティカル・マス(臨界量)以外のクリティカルなもの


では、低濃度と高濃度では何が違うのでしょうか? なぜ低濃度のウランでは、高濃度のウランのような巨大な爆発ができないのでしょうか? それを理解するために、よく使われているが実はよくわからない、「クリティカル・マス」(臨界量)という言葉をとりあげてみます。「クリティカル・マス」とは、ウラン235のような分裂性物質が連鎖反応を維持するのに十分な量があるということです。

ここでは「マス」、つまり質量がクリティカルなものとされるんですが、じつは核分裂の目的を達成するためには、質量以外にも要件があります。それはたとえば、密度とか形といったものです。

核兵器は全エネルギーを一回の大爆発で放出するように作られている、ということは、その材料は分裂性物質とともに極力ぎっしり高密度に、なおかつ均一な球体として形作られている必要があります。

そうしたデザインは、原子炉のデザインとはまったく異なっています。原子炉は、エネルギーを安定的に制御された形で放出するように作られていて、メルトダウンを起こすようなエネルギーでさえ、核爆発を起こすほどのスピードや強烈さを持つことはありえません。原子炉ではウラン235は直線的に配置されていて、爆発的連鎖反応に必要とされる球体状とは根本的に違っています。また、原子炉級のウランには非分裂性であるウラン238が多く含まれているため、核反応の暴走も停止されていきます。


・知ることの意義


この記事によって、原子炉事故の危険性を過小評価しようということではありません。チェルノブイリ原発のようにメルトダウンが起こってしまうと、周囲の環境に与える影響は言い尽くせないほどのものになります。チェルノブイリ近隣の町であるプリピャチ周辺地域には、事故から25年経つ現在でも人間が住むことはできません。

福島の原発がどうなるかはまだわかりません。複数の専門家も危険性の高さを指摘しています。でも、こうした危機の真っただ中にあっても、本当に恐れるべき事態と過剰な想像の間には、線を引く必要があります。そのためには、原発の仕組みを少し理解しておくことは、多少役に立つのではないでしょうか。


Alasdair Wilkins(原文/miho)

http://www.gizmodo.jp/2011/03/post_8701.html


・【Giz Explains】災害にビクともしない原発は可能?
2011.03.18 17:00

プルーム(放射性雲)で有害物質が世界中に飛び散る事態は誰もが避けたいもの。一度それが起こって(チェルノブイリ)、再びそれが起こるんじゃないかとみんな怯えているわけですが、あの旧ソ連の事故以来、原発の安全基準は上がっているんですよ。

確かに福島の状況は暗く、悪化する一方に思えてしまいますが、今は幸いもっとダメージに強い原子力発電所も沢山あります。また原子力発電の研究開発ではかなり安全性を重視するようになっています。原発は諦めるには惜しい技術ですから、これは朗報です。

現在操業中のもので世界最新鋭のものは第三世代と呼ばれる原子炉です。1996年この日本で誕生したものです(残念ながら福島第一の原子炉設営からは10年近く経った後[訳註:事故のあった第一から数えると25年近く後])。これは人工武器・自然災害に耐える設計になっています。

アップグレード後の核設備は、例えばジェット機が直接ぶつかっても建物の方が勝つ構造になっています。実際、核施設破壊を狙って突入してきても、飛行機に勝ち目は全くありません。地震にも強く、東電が現在苦戦しているような運転上の問題も起こりにくくなっています。新しいタイプでは、安全装置がすべて受動なんですね(自分から何かしなくても解決できる)。全炉心溶融を封じ込める設計の「炉心キャッチャー」なるシステムも装備していますし、ピンチの際にも電力みたいな停電の恐れのあるものに頼るんじゃなしに、対流・重力・高温抑制といったものに頼る仕組みになっているのです。

日本が福島第一の原子炉4基で対処に追われている問題の多くも、新しい原子炉では既に修正済みです。実際、今操業中の次世代原子炉は4基だけなのですが、これ全部日本にあるんです。もちろん台湾も日本が採用したのと同じ改良型沸騰水型軽水炉(ABWR:Advanced Boiling Water Reactor)と呼ばれるアップグレードの導入に向け取り組んでいますし、米国もこの設計をライセンスしています。でもこのABWRにしたって、現在世界で出回っているものと比べてると技術の最先端というほどでもないんですよ。考えてみれば日本で初めてABWRを設置したのって1990年代半ばですものね。

中国が現在開発に投資しているのは「AP1000」という原子炉で。第三世代の上をいくものと見なされています。上で述べたものの優等生クラスですかね。この原子炉では冷却用パイプが吹っ飛んでも、運転者の介入も水注入もAC電源も抜きで問題が解決できます。高温になり過ぎたら、原子炉の上のタンクから重力の力でファンネル(じょうご)を通して水を注入し、冷やすことができたり。これも先に述べた「深刻な問題を受け身で緩和する技術」のひとつですね。

同様に優れた成果を出している製品は他にも沢山あります。ドイツが生んだ「Kerena」も炉心キャッチャー装備なので、全炉心溶融が起こっても有害な核燃料は外界に漏らさず中に密封しておけます。カナダで現在認証待ちの「ACR」は互いに独立した急速シャットダウン装置が2つ装備されているほか、受動安全対策がてんこ盛り。今のこの不安に押し潰されたりしなければ、この先10年でこうした技術はさらに沢山生まれるでしょう。

同時に地球各地の企業・政府は遠い未来を見据えてブレインストーミングを行っています。第3世代原子炉もそれ以前のスタンダードを高めましたが、第4世代の発電所では設計が根底から変わります。ウランの代わりに劣化ウラン(いずれは枯渇するもの)を使い、冷却も水の代わりにナトリウムやヘリウムを使うようになる...かもしれません。

遙か地平の向こうには、マイクロソフト元CTOナサン・ミフルヴォルドのアイディア投資会社「Intellectual Ventures」が開発した「進行波炉(traveling wave reactor)」なるものも控えていますよ。劣化ウランを燃料に使う原子炉で、まだ孵化中のアイディア。自社で製造する予定はないので、設計のライセンス供与に向け目下のところ政府・企業の利益を天秤にかけてるところみたいですね。

福島第一原子力発電所の沸騰水型軽水炉(BWR:Boiling Water Reactors)は1号機から順に1971年、1974年、1976年、1978年、1978年、1979年に設営されました。隣の第二は1982年、1984年、1985年、1987年設営の第二世代で改良も加えられています。岩盤に直接建ててるので地震にも強い。建物の面は数ある形状の中でも特に耐震性に優れた正方形です。

でも事故が起こった第一は第一世代の古いもので、設計を手伝ったアメリカのエンジニアさんも「40年もつようデザインした」と言ってますから、どのみち寿命だったようですね。

新技術は導入までに時間がかかるものです。原発は規制のハードルも高いので。今回の事故で、ただでさえ厳しい安全基準がさらに厳しくなるのは確実ですし、もっと新しい世代の原子炉(つまり世の中の大半の原子炉)では、このような事故は起こらないものと思われます。まあ、そんな今後の安全基準とか新技術の話より今は目の前の事態収拾ですけどね...。

Rachel Swaby(原文/satomi)

http://www.gizmodo.jp/2011/03/giz_explains_9.html






・米、小型原発の商用化推進へ クリーンエネルギーを重視
2011年2月15日11時52分

【ワシントン=勝田敏彦】米エネルギー省は14日発表の2012会計年度予算教書で、風力や太陽光などに加え、原子力なども含む「クリーンエネルギー」を推進する姿勢を明確にした。小型モジュラー炉(SMR)と呼ばれる小型原子炉の商用化を推進する経費も盛りこんだ。

 オバマ大統領は1月の一般教書演説で、35年までに全米の発電量の8割を「クリーンエネルギー」でまかなうという目標を発表している。

 目標達成に向け、コスト削減や電力需要が少ない地域で活用が期待されるSMRの開発を進める。SMRは、機器一式を工場で製造してトラックなどで運べる。さらに、再生可能エネルギー普及のカギとなる電力貯蔵やスマートグリッドの技術、レアアース(希土類)代替技術の開発拠点を倍増する。一方で、石油や石炭など化石燃料への補助金や燃料電池開発などの費用を削減する。

 イリノイ州にある大型粒子加速器テバトロンの運転も打ち切る。テバトロンは、欧州の大型加速器LHCが完成するまでは世界最大の加速エネルギーを誇り、14年まで運転を延長する計画があった。
http://www.asahi.com/science/update/0215/TKY201102150205.html





・WH、小型モジュラー炉の基本設計完了2011/02/21

東芝グループの米ウエスチングハウス(WH)は先週17日(現地時間)、開発を進めてきた出力20万キロワット級の小型モジュラー炉(SMR)の基本設計が完了したと発表した。今回開発したSMRは、WHの150万キロワット級加圧水型軽水炉「AP1000」設計技術などを応用。モジュラー構造になっていることから、工期の短縮が可能といい、加えて高い安全性を担保しながら、部品点数を削減するなどの工夫も施されている。

WHは今後、SMRの詳細設計に入り、米原子力規制委員会(NRC)の承認などを経た上で、商用化に踏み切る。
http://www.shimbun.denki.or.jp/news/industry/20110221_01.html















・海外エネルギー情報 米国で高まる小型モジュラー炉への関心

 米国では小型モジュラー炉(SMR, Small Modular Reactor)と呼ば
れる出力数万kW~数十万kW程度の小型原子炉の商用利用の可能性への関心
が増大しています。小型モジュラー炉は、単独で使用することも、数台を
組み合わせて必要な出力規模にあわせて使用することもできる柔軟性を特
徴としています。

 発電プラントには規模の経済が効くため、出力を小さくすると大型軽水
炉に比べてkWあたりの建設費は高くなる傾向がありますが、現在提案され
ている小型モジュラー炉では、原子炉機器一式を工場で製造し、鉄道また
はトラックで発電所敷地まで運搬・据え付ける方式を採用するとしており、
これにより建設工期の短縮と工場生産による製造費用の低減を狙っていま
す。また、需要規模の小さい地域での適用や、資本規模の小さい電力会社
でも投資可能な価格となることも訴求しています。

 このような中、3月23日にエネルギー省(DOE)のスティーブン・
チュー長官がウォール・ストリート・ジャーナルに「小型モジュラー炉を
支援する」とした論説を寄稿しました。
 
-最も重要なことは、原子力エネルギーへの投資が米国を成長する産業の
中に位置づけることである。
-中国、韓国、インドといった国々はこのことを認識しており、原子力発
電に投資をしている。我々の選択は明確である:これらの技術を今開発す
るか、将来輸入することになるか。
-いくつかの先進小型炉では使用済燃料や放射性廃棄物を炉内で燃焼する
ことで核兵器転用の恐れがあるプルトニウムを消滅できる。
-DOEは先進原子炉技術を何年間も支援しているが、今回(2011年度)、
オバマ大統領は始めて商用小型モジュラー炉について3900万ドルの予算を
要求した。
-現在、我々は産業界と協力して原子力規制委員会(NRC)から1また
は2炉型の設計認証(DC)を得ようとしている。これらの小型モジュラ
ー炉は、実証済みの軽水炉技術に基づいており、10年程度で実用化できる
だろう。

 最後に、「原子力発電とその他のカーボン・フリー電力を真に推進する
には、長期的インセンティブが必要である。我々が採りうる最も有効な唯
一の手段は包括的エネルギー・気候変動法案を通過させて炭素排出に価格
を付けることである」として、キャップ・アンド・トレードの導入により
クリーン・エネルギーが有利になることで原子力発電への投資が増加する、
と主張しています。なお、同紙には2月18日にも“Small Reactors Generate
Big Hopes”という小型炉の特集記事が掲載されています。

 また、3月23日には、既に日経新聞などで大きく報じられている通り、
ビル・ゲイツ氏により設立された知財管理会社インテレクチャル・ベンチ
ャーズの子会社テラ・パワーと東芝が、「トラベリング・ウェイブ・リア
クター(進行波炉、TWR)」の開発協力に向けて協議を進めている件も、
米国でもロイターやファイナンシャル・タイムズなどで報道されています。
 TWRは「種火」として用いる僅かなウラン235以外は劣化ウラン(濃
縮残滓のウラン238)を燃料として装荷し、運転中に炉心内でウラン238か
ら転換したプルトニウム239の核分裂によりエネルギーと中性子が発生し
ます。炉心の一端から順次プルトニウム239の生成・分裂が進行していく
ことから「進行波炉」と呼ばれています。理論的には100年程度燃料交換
をせずに運転が可能とされています。
 炉心内でプルトニウムの生成・分裂が行われるため、再処理施設が不要
で、核不拡散の懸念がないことや、燃料であるウラン238が大量に存在す
ることも強調されています。テラ・パワーでは金属ウランとナトリウム冷
却のプール型の100万kW級プラントの概念設計を完了しており、現在は10
-30万kW級小型炉の設計を進めています。

 小型モジュラー炉はテラ・パワー以外にも多くの設計が提案されており、
関心を表明している電力会社もあります。また、米国空軍では2009年12月
9日に公表した「米国空軍エネルギー計画2010」において、軍事施設での
オンサイト電源として原子炉の可能性の評価を継続するとしています。
 多くのベンダーが、設計認証(DC)を2010年遅くか2011年早期に提出
し、建設・運転一括認可(COL)を2016-18年に完成する意向です。こ
れに対して、NRCはこうしたスケジュールは挑戦的である、と見ていま
す。NRCは、現在リソースは多数の新規原子炉の許認可審査に集中して
おり、少なくとも近い将来に顧客からの商業利用の明確な確約がない限り、
新たな小型炉の設計認証の審査をする余力は限定的である、としています。
 また、モジュール追加を想定したCOLの構成や運転要員(操作室をモ
ジュール毎に備えるか)、小型炉固有の安全性を考慮した緊急時対応要件
の見直しなどの課題もあります。

【参考:提案されている小型モジュラー炉の例】

-サンディア国立研究所
 2009年8月25日、DOEのサンディア国立研究所は、米国原子力学会会
長トム・サンダース氏のチームが開発した小型炉は、10-30万kWの原子炉
で、小規模なウラン炉心を液体ナトリウムのタンクに沈める、というもの
です。他の小型モジュラー炉と同様、工場で製造され、1基2.5億ドルで
年間50基までの大量生産を見込んでいます。

-NuScale(NuScale パワー)
 出力4.5万kWの軽水冷却の蒸気発生器を圧力容器に内蔵した加圧水型炉
で、既存軽水炉燃料を使用可能なため、新たな燃料の設計や試験の必要が
ないとしています。燃料交換は24ヶ月毎で自然循環、受動安全性を有して
います。

-mPower(バブコック&ウィルコックス)
 出力12.5MWの小型炉でNuScale同様、蒸気発生器を内蔵した軽水炉です。
価格は3000ドル/kW、1基あたり3億7500万ドルとしています。mPowerの
用途として、送電インフラが整っている既設の化石燃料プラント立地点で
の増設が考えられています。初号機は2018年までに納入可能としています。

-ハイペリオン(ハイペリオン・パワー)
 出力2.5万kWの「原子力電池」で、ロス・アラモス国立研究所からスピ
ン・オフにより設立されました。既設の送電系統への連係を想定している
B&WやNuScaleと異なり、ハイペリオンは電力系統が未発達な地域での
分散型電源としての用途を訴求しています。主な市場は遠隔地の油田・ガ
ス田、鉱山、軍事施設です。発展途上国では水処理施設用の電源としての
利用を目指しています。

-4S(Super-Safe, Small and Simple Reactor)(東芝)
 4S炉はアラスカ州ガリーナで採用が検討されている1万kWの「原子力
電池」で炉内に動的部位はなく、燃料交換は不要で30年運転できます。
 人口が1000人に満たないガリーナでは冬季には数日間交通が遮断される
こともあります。電力はディーゼル燃料を使用しており、4S炉でディー
ゼル燃料以下の価格で電力を供給できれば分散型電源として競争力を有し
ます。ハイペリオン同様、東芝は、鉱業、遠隔地での分散型電源としての
用途を強調しています。

                               以上
http://www.tepco.co.jp/cc/pressroom/overseas/2010/100402-j.html











なぜ原子力でなければいけないのか?

それは国家と文明の規模を最適化改造し、種としての人類の寿命を可能なかぎり延長させるために必要な基礎条件がそれだからだ。

(実は自然エネルギーというものはすでにある文明インフラを維持活用する分には十分なのだが、これを文明インフラごと新しく再構築する際のエネルギー源として考えるならば、やはりその能力には根本的欠陥があるとしか言いようがない代物なのである。具体的技術的問題としては蓄電池の限界がやはり大きなボトルネックになる。)

石油の大量消費によってのみ存続可能な大規模生産流通消費文明を再度地域単位に分割し封鎖しなおし、地域ごとで完結するエネルギー需給実現と、もって人口のこれ以上の爆発的増加を食い止め、この文明の技術段階が私たちの抱える根本的矛盾を解決可能になる時点まで、なんとかいましばらくの大破局を回避させ人類を存続させる。

あるいはそういう平和的穏健的手段ではなく、ある種の壮大な陰謀によってコントロール下に置かれた文明破壊を演出し、もって人口を一挙に三分の一にしてしまうという選択肢もある。

どうでもいい3分の2の役立たず人種共だけを互いに食み合わせることで綺麗に間引いてしまえるなら、基本的に原子力なしでも人類は生き残れる。

しかしそういうラディカルな選択をたかが人間の分際でやってしまっていいのか、そもそも結果を制御しうるのか、その点で疑問が大きい。

これも可能だと主張する、とても賢い連中もいることはいる。

しかし提示される根拠から考える限り、原子力システムの維持存続と国境封鎖という選択肢より、より成功確率の低い選択肢に思える。

だいたいそれほど人間の能力は大きくないはずだ。

それに比べ、すでに相当にこなれた技術段階に入っている原子力システムなら、より安定したシナリオを提供できる。

いずれにせよ、一番問題なのは、原子力の安全性とかではなく、自分の欲望を一向に制御できない人間の数が膨大な数量になっている点にある。それは原発事故ほど分かりやすくセンセーショナルな危機ではないが、破壊力という点でははるかに大きい。

本当に際限ない欲望こそが、人類における最大の災厄、その真因であるに違いない。

それはそう、たぶんいきなりやってくる津波みたいなものだ。目の前に立ち現れたときにはもう手遅れなのである。どうもこうも殺し合うしか仕方なくなる。

その時になればわかるが、今の原発事故など子どもの戯言程度にしか感じられなくなるだろう。

0 件のコメント: